墓じまいとは何か？無縁仏になる前に考えるべきこと

現代社会では、墓の管理や維持が難しくなるケースが増えてきています。

仕事や家庭の事情でお墓参りに行けない、継承者がいないなど、さまざまな理由から「墓じまい」という選択をする方が増えています。

墓じまいとは、現在所有するお墓を閉じ、遺骨を移転・改葬するプロセスのことを指します。このページでは、墓じまいを行う際の流れやポイントについて解説します。

墓じまいの背景「無縁仏」が増加する現状

ある調査によると、全国で40%のお墓が無縁仏となり、その後、最終的に処分される可能性があるとされています。

これが深刻な問題となる場合があり、自治体によっては無縁仏の合祀を行っていますが税金による処理は納税者への負担となり、また、合祀により他の遺骨と混ざるため、ご先祖様への敬意が保たれないこともあります。だからこそ、きちんとした墓じまいを実施することが大切です。

墓じまいには、いくつかのステップがあります。以下に、その基本的な流れを紹介します。

まず、お墓にある遺骨の確認を行います。誰の遺骨であるか、数量や状態、また火葬済みかどうかを確認しておくことが重要です。もし土葬されていた場合は再火葬が必要になることがあります。

遺骨をどこに移すかを決める必要があります。公営墓地や散骨、永代供養、手元供養など、さまざまな選択肢があります。散骨には海洋や山林など複数の方法がありますが、それぞれに規制やルールがありますので注意が必要です。

親族の中で誰が墓守を続けるか、または墓じまいを行うかについて話し合います。親族間での合意が得られるかどうかは非常に重要で、場合によってはスムーズに進まないこともあります。

お墓があるお寺や霊園に、墓じまいの意向を伝えます。ここで注意が必要なのが「離檀料」の問題です。お寺によっては離檀料を要求されることがあり、交渉が必要となる場合があります。

遺骨を新しい場所に移す場合、役所で改装許可申請書を発行してもらい、新しい墓地や納骨堂から受入証明書を発行してもらいます。これらの手続きは各自治体ごとに異なる場合があります。

墓じまいの最終段階では、墓石の撤去と更地化を行います。ここでも石材店などの業者選びが重要です。業者によって料金が異なるため、複数の見積もりを取ることをおすすめします。

墓じまいは単なる手続きではなく、残された親族やご先祖様への配慮が求められる繊細な作業です。

墓じまいの話し合いは、時間をかけて慎重に進めることが大切です。可能であれば専門の司法書士や行政書士に相談し、法的なサポートを受けることも検討してください。

墓じまいは多くの家庭で避けられない課題となっていますが、決して急いで決断するべきではありません。お寺との交渉や親族間での合意、さらには遺骨の行き先を慎重に選ぶことで、後悔のない墓じまいが実現できるでしょう。

親族全員で話し合いを行い、ご先祖様に敬意を払いつつ、心安らぐ解決策を見つけてください。